トンガとコロナ 帰国1年後レポート①
さて、早いものでトンガから帰国して1年がたちました。
帰国したのは去年の1月でしたが、
慣れない東京、乾燥したジャパンの冬を省みず、
帰国記念で連日東京の知人と飲み会、
はしゃぎすぎて体調をぶっ壊し、コンビニでマスクを買ったのが懐かしいです。
今思えばそのあと急激に世相は動き、1年前とは全く違う世界になってしまいました。
「外出にマスク必須とか手塚治虫の未来の世界やん」なんて去年の今頃は思っていましたが、いまや当たり前になりました。
マスクが常態化するのは絶対いやだと思い、使い捨てマスクしか使わない!と、なぞの意地を見せてきましたが最近ではめっちゃおしゃれマスク興味あります。
さてFacebookを見ていると、私が勤務していたトンガの教員養成校では、この1月に卒業式が盛大に執り行われていました。
誰もマスクをしていません。
コロナ以前と変わらず、トンガの人達は大いに歌い、みんなで食べ、ハグしあってるのだなーとなんとも清々しいです。
大使館やたびレジの情報ですと、トンガはコロナが話題になって早々に国を閉じました。トンガの対応を、時系列でざっと追ってみるとこんな感じです。
■2020年3月4日
トンガ政府 渡航勧告(中国には行かないでね~、中国行った人は2週間経過観察してね~)
■2020年3月4日
オーストラリアに滞在歴のあるトンガ人1名の感染疑い(その後陰性が判明)
■2020年3月13日
トンガ政府 緊急通報命令発出(トンガ国内の症状がある人、濃厚接触者はトンガ政府に必ず届け出る義務を課しますよ!)
■2020年3月23日
トンガ政府 航空機着陸不許可命令(しばらく飛行機はトンガに着陸できません!)
トンガ政府 トンガに発着するすべての国際線停止
■2020年3月26日
トンガ政府 国家封鎖通知を発表
・レストラン、バー、カヴァクラブ、教育機関、宗教施設、ビンゴ(トンガでは1日中やり続けるなぞのビンゴが人気)、ジム、誕生日会、結婚式、すべての他人が集まるレクリエーション禁止(日曜日のミサはどうしていたのでしょうか)
・お葬式は屋内10名、屋外20名まで(トンガのお葬式の規模に全然見合わない!)
着陸不許可命令や国家規制措置の延長が繰り返され…
■2020年5月1日
トンガ政府 規制措置を緩和
・クラブやバー、カヴァは金曜日と土曜日だけOK、ただし日曜日の教会の前にあるカヴァ集会はOK
・結婚式や誕生日会OK
・お葬式は屋内40名、屋外100名までOK、ただし職員が立ち会います
・ビンゴやコンタクトスポーツはだめ(このころみんな草ラグビーができなかったんでしょうね…)
規制はその後も徐々に緩められつつ継続され…
■2020年7月6日
3月の国境封鎖以来初めて、在外トンガ人約50名がトンガに帰国すると発表(7月9日の予定がその後11日に延長されたようです。トンガらしい。)
その後規制措置はいまだに続いていますが、
現在は海外からの渡航者を受け入れるために隔離場所となるホテルやキャンプ地が、規制区域となっているようです。
そのほか行事は屋内50人以上、屋外100人以上までで実施しているようで、儀式を大切にしているトンガなので、卒業式も実施できてよかったなーと思います。
トンガは感染者がいないうちから、早々に国を閉じていました。
医療体制も(多分)まだ伸びしろいっぱいで、国民の多くがぽっちゃりさん(可愛く言えば)で、糖尿病も多いトンガなので、政府の素早い決断がすばらしいなと思いました。
そして政府の急に厳しい規制措置も、トンガの生活スタイルやトンガの人達のノリだからこそ、受け入れられ実行できたんじゃないかなと想像しています。(学校休みだって、仕事行っちゃだめだって、しょうがないね~はっはは~と言っている同僚たちがたやすく想像できます。)
「急に決めて急にみんなでできる」という点では、日本よりトンガのほうが災害に耐える力が強いかも…と思ったりします。
先にも書いた通り、写真を見ている限りトンガの人達は、今も歌って踊って大笑いしているようで、
世界が大荒れのこのときに、世界から遠いあの島では1年前と(というか昔から)変わらない生活があることに、「いや~トンガやな~」とほっとします。
「トンガこのやろう」と思うこともいっぱいあったんですが、結局嫌いになれないトンガ。
どうかあの国にコロナウイルスが行きませんように、トンガ人が変わらず生活していきますようにと、心から思います。
あとは、万が一トンガでコロナが流行ってしまったとき、日本の元気な私より先に、ちゃんとコロナの医師や糖尿病のおばあちゃんがワクチンを受けられますように。
一方で、協力隊は残念ながら全員引き上げ、待機している状態だそうです。
待機しているトンガ隊員の方(それから逆にトンガに戻れなくなっちゃったトンガの人達)も、早く現地に向かえることを願っています。