トンガ人理事長と話して目から鱗
私の仕事について、理事長(ビッグで陽気なトンガ人レディ)と話す機会がありました。
そしてさすが理事長、Opening eye目から鱗が落ちました。
私のトンガでの活動計画のひとつに「日本語リソースセンターの運営」というものがあります。
これは日本語教室の横に併設されている教材倉庫なのですが、ドラえもんのマンガ、けん玉、コマなどの定番ジャパニーズカルチャーはもちろん、90年代の写真や雑誌などの逆にレトロでおしゃれな資料、ランドセルや「いらっしゃいませ」のぼり、富士山の通行手形などの誰が持ってきた?と思うマニアック日本グッズがそろっています(一押しはかつてのバイト先の居酒屋メニュー)。
しかし課題が。おもしろいものがたくさん揃っているのですが、現状では数名の日本人教師しか利用していません。
ゆくゆく日本語教師ボランティアの派遣を減らしていき、トンガ人教師主体の運営を目指すトンガ日本語教育。
トンガ人の先生たちが気軽にきて利用してもらえるようにしないとな~というのは、気になっているところでした。
そしてうちの素敵な理事長もその点はやはり課題だとおっしゃっており、「学校内に十分活用されていない場所があるのはいやだな~」とのこと。
私がこの半年で利用者を増やすためにやってきた作業は、
・片付けと物品リスト更新
・トンガ人の先生がわかるように、リスト内とリソースセンター内に英語表示
・処分するポスターや教科書のTAKE FREEコーナー作り
・それら諸々のお知らせをトンガ人の先生方と日本語教育以外のJICAボランティアへ
でした。まあ順当な作業だったと思います。
が、そのうえで、理事長に水を向けたところ、
私「先生だったら、どうしたらリソースセンターに来たいと思います?」
理事長「……(ちょっと考える)」
私「……」
理事長「If I go to the place, I think the reason is you.」
「あ。」と思いました。
つまり理事長先生が指摘したのは、
「リソースセンターに行けば日本人教師が技術面を教えてくれたり、いい教材を借りれたりする」という技術的な狙いはおいといて、
「あいつとお喋りしに、ちょっと寄っていくか」と思ってもらうのが大事ということでした。
協力隊になるうえで、もし活動がうまくいかなくても、最低限「おもしろい日本人がいたな~」と現地の人に日本や日本人に関わる楽しい思い出を残せればいい、と思っていたはずなのです。
が、こと自分の活動に関しては、このごく初歩的な部分を忘れていました。
トンガ人の先生たちに私と会いたいと思ってもらえる関係づくり、ちょっと立ち寄りたくなる場所づくりが、次の階段、というよりは見落としていた一段目にあるということを、理事長先生に発見させられました。
立ち寄りたくなる教室を目指して、ひとまず授業時間外は開放することに。
他の学生も自習できるようカウンター風に模様替え。
リソースセンターの備品の中から、見栄えのするものは教室において興味を誘う作戦です。
かつての協力隊員が日本から送ってもらったと思われる90年代写真(ネットが無かった時代ですね)も、なつかしくて素敵なので飾ることにしました。
まんまと他教科の学生たち、先生たち、そしてゆくゆくは他校の日本語教師たちが立ち寄ってくれるといいのですが。