トンガの半年と活動計画
2018年1月にトンガに来て、2月に教員養成校に配属、8月で活動開始から半年を迎えました。
JICAボランティアは赴任6か月を過ぎたところで、活動計画を作成し配属先に内容を相談・報告します。
つまり我々の2年間は、
任国到着→半年はとにかく現地に馴染め!観察せよ!→半年後、活動方針決定→残りの1年半でやり遂げる
ざっとこういう流れになっています。
(ただしわたしの場合は、そして多くの学校配属の隊員は、配属その日から「今日授業3時間目やで~」と言われたりするので、最初の半年は仕事と観察がちゃがちゃ同時並行でした)
今回わたしがトンガの半年を振り返り、そして今後の1年半を考えて決めた活動方針は次の5つです。
1.自分の学生を日本語教員免許とともに無事に卒業させる
他はおろそかにしても(あかんけど)、とりあえず今もっている3人の学生はトンガ日本語教育にとって貴重な人材、三種三様の面白さを持った学生たちです。将来的には日本語教育ボランティアの高校派遣が無くなり、トンガ人教師だけで運営するのが目指しているところです。なにがなんでも彼女たちを日本語教師にしたいところです。
2.教員養成校の日本語コースシラバスを改訂する
トンガに来てから常日頃悩んでいることです。日本語を使う機会のほぼ無いトンガでどんな日本語を学べば楽しいか、トンガで教えるトンガ人の先生はどんな知識や経験があるとよいか、日本の日本語母語話者教師に対する教員養成、つまり私が学んできたように教えてるのは違うというところが、おもしろくもあり、難しくもあります。毎週考え、ある種実験的に授業をしてみて(今の学生には申し訳ない気もしますが)、修正し、学期終わりごとに学校に提出、2年後にはコース全体のシラバスが完成、という予定です。
3.日本語リソースセンターの整理と開放
教員養成校には日本語リソースセンターなるものがあり、教科書や教具、提灯やランドセルや「いらっしゃいませ」のぼりなど、おもしろいものがたくさん保管されています。ところが私が来た際はもはやただの倉庫、虫が本棚食べ放題をしていました。この半年で片付けは終わったので、今後はどのようにして日本語の先生たちやボランティアにたくさん使ってもらうかを考えたいです。
整理していると90年代の写真が大量に出てきました。ネットが無かった時のボランティアの人達が、学生に見せるために郵送をお願いしたんだろうなと思うと、ちょっと浪漫を感じますね。せっかくなので、埃まみれの額縁を発掘して教室に飾ってみました。
4.だれでもどうぞ日本語教室(養成校が夕方に開講している一般社会人向け講座)の継続
ゆるゆる細々やっている夕方の日本語教室で、トンガの郵便局員さんや、軍人さん、主婦の方や高校生、ときには小学生などなど、気が向いたトンガの人達が、気が向いた期間にやってきて、飽きたら去っていきます。何回「第1回、わたしは~です」の授業をやったことか。主婦の人との雑談で終わる日もありますが、いろいろな人に会えますし、これはゆるい授業枠として大事にしていきたいです。
5.トンガ日本語教師会の一員として他の先生方と協力、トンガで教えやすいような教材や指導アイディアを勉強し提案する
トンガ人の日本語の先生方(10人ちょい)とJICA日本語教育隊員で、JLTAT(Japanese Language Teacher Association Tonga)というネットワークがあります。書道の指導法やテストの作り方などそれぞれ相談しあったり、年に数回勉強会をしたりしています。こういった場で、教材や指導法の提案をして、トンガ人の先生方に「それ使えるな!」と言ってもらえたら最高だろうな~と思います。今わたしが気になっているのは、スピーチの指導法。どのようにして、暗記したものを再生しているだけのスピーチから脱却できるか、です。
今後も健康第一で張り切っていきたいと思います。