ひらひら展を通して教授法を教える2 【ARCS Model】
ARCS Modelとはアメリカの教育心理学者John Keller先生が提唱した動機づけの理論です。
Project based learningといっしょに、ひらひら展を通して学生に学んでほしかった教授法のひとつでした。
ARCSとはそれぞれ、Attention、Relevance、Confidence、Satisfactionを表し、この4つのサイクルないしはステップが学びたい気持ちを刺激し、持続させるカギだという理論です。
わかりやすい言葉で言うと、
A:Attention「え、なんかおもしろそうやなこれ」
R:Relevance「え、これおれのための勉強やん」
C:Confidence「お、ちょい頑張ればできそうやな」
S:Satisfaction「いや~なかなかおもろかったな」
と、学習の過程において、教師は学生にこのように思わせなければならないということですね。
ひらひら展の日本語学習において、わたしがもくろんでいたARCSはこんな感じでした。
Attention:
1. まずはトンガのアート事情についておしゃべり(※美術の授業があまりないトンガ、学生は「アート?なんすか?」となってましたが)
2.“Museum without building”美術館なのに建物がないというすなはま美術館のコンセプトを利用 →疑問を持たせるところから始める
3.すなはま美術館のHPをリライト&カラーコピー →写真もいっぱい、レイアウトもなんかおしゃれ、読みたくなるハンドアウトに
Relevance:
1.すなはま美術館は高知県にあるのですが、高知県はトンガラグビーチームのキャンプ地であり、関係強化中であると説明 →高知県について知りたくなるように(※ラグビーと聞いただけでテンションかち上がってました)
2.ひらひら展がTIOEに来る! →我々みんな当日スタッフになるから準備せな!とこじつける
Confidence:
1.学校紹介の原稿準備など、一問一答(「何のための学校ですか」「何人学生がいますか」)からはじめて段階的に文章にしていく →「学校紹介を書きなさい!どーん」「むりむりうちらには無理」となることを避ける
2.習ってきた日本語+少しの努力でできることを強調
3.当日までに学生がすでに知り合いの日本人ゲストを読んでなんども練習
Satisfaction:
1.ひらひら展が学生にとってとにかくおもしろい一日になるよう努力
2.当日、日本人が来たらかたっぱしから案内させる →「日本人とやりとりできてるやん」と学生に思わせる
3.終了後小テスト、原稿提出など →習得した日本語を数字で評価する(※「ひらひらします」完全に習得)
今後は教授法の授業で、学生たちに「教師としての私の計画と動き」「学生としての自分のテンションの変化」を突き合わせて、ひらひら展を振り返らせたいと思います。
実際に私の目論見がどのように機能していたか、学生とのおしゃべりを通して解明していきたいと思います。