トンガの今日は

南太平洋トンガ王国 日本語教師 青年海外協力隊

24時間営業についてトンガから思うこと

大阪のコンビニで深夜営業をやめた店舗がある!

ニュースのヘッドラインをぱっと見て、おーついに私の大阪もそんな時代に!

と思ったら勘違いで、

人手不足でやむなく19時間営業をしているフランチャイズの店長さんがいて、それを本社に認めてもらえないというがっかりな記事でした。

コンビニ大好きですが今後はセブンじゃなくてファミマに行っちゃいそうです。

 

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常日頃から、そしてゆるゆるのトンガに住んでから特に、やはり日本で求められる働き方は頑なで不自然な気がしています。

体調が悪かったら、台風で外が大荒れだったら、働く人が足りなかったら、物理的に仕事はできないはずだと思うのですが、日本ではやっぱりそこは気持ちでカバーして頑張って働く人が多いと思います。

 

私はドイツとタイに住んだことがあります。

 

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ドイツで働く日本人の知人は、4時定時なので4時に仕事を終え片付けて、4時5分にタイムカードを押しに行ったら社内で最後だったと言っていました。

きっちり出勤してきっちり働き、ランチとコーヒーブレイクもきっちりとり、夕方にはぱっと帰る働き方は私もなんとなく覚えています。

また平日の明るいうちからビールを楽しんでいる大人たちを見て、「この国がEUひっぱってるんか」と感心したこともありました。

ちゃんと休んでちゃんと遊んで結果を出しているなら、これほどスマートでかっこいいことは無いなと思い、だから私はドイツに関わるものを無条件に尊敬してしまいがちです。

 

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タイの大学では朝5時に出勤して2時には帰宅するスタイルの先生方がいらっしゃいました。セルフフレックス制ですね。自分仕事が終われば他の人がいるからって空気を読んで職場に残る必要はないわけです。

タクシーの運転手さんは会社の車を好きにデコって好きな音楽をかけて走っていました。

バスの運転手さんが信号待ちでパパイヤを取り出し、運転席でいい感じに切ってスパイスをつけて食べているのも見ました。

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これを見て日本のバスの運転手さんも停車中にコーヒーぐらい飲んで休んでくれたらいいのにと思ったことを覚えています。

日本やと運転手さんが水じゃなくてファンタ飲んでるだけでクレーム入れる人がいそうです。

さすがに運転中にみかん食べるのはまだまだ日本ではハードル高いと思いますが、もうちょっとゆるく働いてもらったほうが私は嬉しいです。

 

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そして今トンガで働いているわけですが、私の職場では、

体調が悪かったから午後から出勤したわ

子供の誕生日やから明日は仕事行かないかも

大雨やったから学校ないと思ったわ

病院の予約したからもう帰るわ

あれ?○○先生おらんな、ああ○○先生やったら子供迎えに行ったで

あれ?○○先生おらんな、会議って知らんのちゃう?

全然ありです。

 

もちろんだれも遅刻なんて気にしません(そもそも遅刻の概念が無いんじゃないかと疑っています)。

誰かの誕生日は職員室で盛大に料理してケーキを食べます。

デスクワークをしながら歌いだすことはしょっちゅうです。

夕方になれば職員室は同僚の子供たちでいっぱいになります。

だれかの家族のお葬式があれば、授業をやめて職員全員でお祈りに行きます。

そしてまじでやらなあかん時期は夜中まで学校に来て直前に全力で間に合わせます。

 

ぶたも学校でごはん探してます。

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仕事とプライベートの境界がゆるく、日本人の私からすると「いや怠けもの!」と思うこともあるのですが、でもトンガの人達は職場でみんな楽しそうです。

死にそうになりながら働いている人はいませんし、誰か(例えば本社とか)に強制されて深夜まで連続勤務させられている人なんていません。

 

夜コンビニが見えると人の気配と明るさにほっとするし、一時帰国したときはコンビニの清潔さと品揃えに感動しました。

日本のサービスは世界一だと思いますが、しかしセブンのニュースのように最近は高みを目指しすぎて痛々しく見えます。

コンビニのツナマヨおにぎりが大好きですが、誰かが苦しみながら働いてるコンビニには行きづらいです。

東大阪の店長さんにはぜひ頑張ってほしいですし、声をあげられたことを尊敬します。

そして私の大好きな大阪には「そんなぎりぎりまで働かんでも楽しく働いたらええがな」「笑いながら働ける範囲で工夫して稼げばええがな」という雰囲気の街になってほしいですし、なれる土壌は大阪の人の心意気の中にあるのではと思いました。

 

【参考】

セブンイレブン「24時間営業限界」 FC店と本部対立:朝日新聞デジタル