トンガの今日は

南太平洋トンガ王国 日本語教師 青年海外協力隊

平成最後の日は(トンガにて)

日本にとってのビッグデーを、遠く離れたトンガで過ごすことになってしまいました。

数十年後、令和最後の日に「あれ、平成の最後何してたっけ?」と思うこともあるかもしれないので、今日がどんな日だったか、トンガにいますけど、記録しておこうかと思います。

 

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2019年4月30日(火)

くもりのち晴れときどき雨、真夏が終わったところ、ハイビスカス満開バナナ豊作

 

6時半 うっすら起床(いつものニワトリが窓の間際で鳴いてくるため)

 

7時 起床、目を開けたり閉じたりする(ニワトリはまだ鳴いている、食べられろ)

 

7時半 ちゃんと起床、ラジオ体操第一

 

7時45分 着替え、今日は青のプレタハ(トンガのオフィスファッション)、日焼け止め、化粧

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8時 朝ごはん、昨日作ったスープ(貴重な鍋キューブ濃厚白湯味)の残りとお米

 

8時半 庭で草刈している大家さんに挨拶、「草刈りしてるの?」と聞くと「エクササイズをしている」という返事、トンガ人「運動」のハードル低すぎる説、自転車(ヘルメット&サングラス)で学校へ

 

8時40分 学校到着、しかし職員室のカギが閉まっているのでその辺で待つことに

 

9時 カギは閉まっていたが中に実は同僚の先生がいた(ドアがクズ)ことが判明、開けてもらう(トンガではこういう小さくて地味な謎がたくさん起こります)

 

9時5分 学校に置いているキエキエ着用(ネクタイ的存在の木の皮ベルト、これでオフィスファッションが完成です)

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9時5分~10時半 パソコンでゆるゆる仕事

 

10時半~12時半 1年生の日本語授業

今日は平成最後にちなんで読解教材「日本のあたらしいてんのうへいか」(自前、詳細は別稿)を用意していました。

今日が日本の天皇退位の日だと聞いた学生「え、死んでないのに?!」(失礼)、だからお祝いムードでいける貴重な代替わりなんですと説明。

日本の天皇陛下交代について文章を読みつつ、トンガの王室や王位継承の習慣についても学生とおしゃべりしました。

トンガの王様ジョージツポウ6世は2015年に即位した新しい王様とのことです。

また王位継承の際は各村がそれぞれの村に伝わる踊りを献上するとのことでした。

 

12時半~14時半 隣の教育訓練省で働く先輩隊員に会いに行く(現在トンガ日本語教科書の改訂中)、帰りに他の職員室を通ったら先生たちがご飯を食べていました。期待通りの「食べていけ」、食べ物をもらう。

 

14時半~15時半 2年生の日本語授業。

1年生と同じく天皇退位について読む。「平成」「令和」という日本の特殊な元号制度も説明。

天皇陛下は「平成さん」という名前ですか、平成の前は何ですか、一番長い時代はいつでしたかと、興味津々。

また、読解教材では「平成→令和カウントダウンイベント」や「令和Tシャツ」も紹介、宗教と伝統と若者文化のミックスおもろい、こんなにはしゃげるのも天皇陛下がご健在のうちに皇位を継承されるからと話す。

 

15時半~16時半 ラジオ局へ

スピーチコンテストが迫っています。例年学生が英語と日本語でラジオ用広告を録音しているのですが今年はTIOE(私の勤務校)の学生が選ばれました。

今日はそのラジオ広告録音日で、2年生二人と大使館職員さんとラジオレコードスタジオへ。さすがエンターテイメントあふれる国民性、最終的にのりので録音した学生二人でした。

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終了後、なぜか私もトンガの母の日と父の日を祝う宣伝を録音(「トンガのお母さんたちいつもありがとうございます(日本語)。」日本大使館の広報もかねているとのこと)を依頼されました。簡単にCM出演できる国、トンガ。

 

16時半~17時 職員室に戻りパソコンでゆるゆる仕事

 

17時~18時 一般公開クラス(誰でも自由に来ていい日本語クラス開講中

平成最後のびっくり。初めて見る若い女の子が急に教室に来たかと思うと「日本語を習いたい」とのこと。

聞けば奨学金に採用され9月から日本に行くそうで、毎日でもいいから日本語をやりたいという全力少女でした(毎日は全力過ぎるので週2日でとりあえず)。そしてよく見ると片方の手がみじかくちっちゃい。

身体に不自由がある人向けの奨学金で日本に行くということで、そんな奨学金がトンガにあることも知らなかったし、トンガで若者の身体的なディスアビリティに出会うことも初めてでした。彼女によるとトンガでの彼女たちに対する支援や、関連する教育はまだまだ発展途上とのこと。

日本でも支援学校を訪問して学び、トンガに帰ったら教師になるのもいいなと雑談で話してくれてましたが、それとてもいいと思いました。

ディスアビリティ、多様性に関する教育、外国語教育はざっくり言うと、視野広げる系または心豊かにする系教科という意味で同じ分野かもしれません。

ということで、平成最後の出勤日に、将来明るいトンガ人学生を新たに手に入れました。

 

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平成最後の帰宅路(トンガですけど)。平成生まれの私としては少しさみしい気持ちも。

明日起きたら令和です。