トンガの今日は

南太平洋トンガ王国 日本語教師 青年海外協力隊

謎の自意識「トンガ側かも」

今日街へ向かっている道中、道の正面にあら?なんかえらいでっかいビルできたな!と思ったら、世界一周旅行の客船が港についていました。

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トンガのどの建物より巨大です。

 

こんなふうにときどきヨーロッパやらアメリカやらから大きな客船がやってきます。

1日か2日だけ滞在して去っていくのですが、街が旅行客でいっぱいになるので、なんとなくうきうきします(船が去る時にでかい汽笛がなるので、うちにいても「あ、あの船出るんか」とわかります)。

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今回も中心地周辺は老若男女の上品なヨーロッパ人たちでにぎわっていました。

そして私は街中で買い物する道すがら、「あれ、このアジア人めっちゃトンガっぽい服着てるな」という彼らの視線を心地よく受け止めていました。

 

そうです、心地よかったんです。

コーヒーとか食べものどこで買えるの?と一人のレディに道も聞かれました。住んでいる人間だと思われたのがまたこれも嬉しかったんです。

 

随一のおしゃれカフェ(Friends café)では店員さんが忙しそうに旅行客の対応をしていました。

私もコーヒーが欲しくて立ち寄ったのですが、私には英語でなくトンガ語で「Fefe hake?(How are you?)」と!

今日ほどプレタハ&キエキエ(トンガのオフィスファッション)を着ていて誇らしかった日はありません。

コーヒーをもらったあとに、嬉しくなって「フェフィネカタキ テウラバマイぺパ?(あ、お姉さん紙ナフキンもらえますか?)」とかトンガ語でわざわざ言ってしまいました。

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気をよくして目があった旅行客の人には笑顔でハ~イと言ってみたり。

これはトンガ人の真似です。トンガ人と一緒にお客さんをもてなしたい気分です。

この人たちがトンガをフレンドリーアイランドと思って帰ってくれたらいいな、そのフレンドリーアイランドの一部になりたい気分でした。

 

またマーケットでも売り子のおばちゃんに「Alu ki I fe?(どこ行くの?)」と話しかけられ、「アルキンガウエ~(仕事ですよ~)」とお返事、調子のってそのまま少しおしゃべりしてみたり。

器が小さいでしょうか?しかし英語でがんばってコミュニケーションを試みる旅行客の傍らで、トンガ語でここの人達とちょっと話せる自分、トンガ語でピーマンもミートパイも買える自分になんだか得意気になってしまったことは否めません。

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旅行客じゃなくて住んでいる人間、トンガを外側からちら見するのではなく内側に滞在している人間、たがだか1年住んだだけですが「私はトンガ側の人間」という謎の自意識を発見しました。

カフェのお姉さんも市場のおばちゃんもにこやかでしたし、他の人達が私が旅行客じゃなくてトンガに住んでいるとわかってくれたし、自分もいつもよりトンガ語使える風にできたので、「ふふん♪」とコーヒー片手に機嫌よく帰った午後でした。