2年間の集大成は
さて、私のトンガでの2年間が終わります。
任務完了で満足しています。
3人の日本語教師のたまごたちが誕生、あとは情熱を持続し実際に各島の高校に採用されてほしいところです。
1人の1年生は後続の日本語ボランティアにお願いしました。自分で教えきれないのは心残りですが、最高のコメディアン、いえ教師になれそうな学生なので必ず卒業してほしいです。
そして2年間毎日(平日は)考え続けた教授法シラバス。
もちろんまだまだ改良の余地がありますが、この国で日本語教師になる訓練生が学ぶべきことは何か、この国の外国語教育にとって優先されるべき指導項目は何か、手を抜かず考えました。
日本語を勉強しても経済的な利益がほぼ無く、学生のモチベーション継続がむずかしいトンガです。
そのトンガでなぜ日本語を教えるのか。
日本語教育というより外国語教育として、この国で日本語教育は役割を持っている、というのが私の2年の結論です。
トンガにも道端で外国人をばかにするガキんちょ達がいます。
世界とつながり無くしてはどの国もやっていけない現代では、異文化や外国人に寛容な人材、自分の国について深く理解できる人材の育成は義務教育で必須でしょう。
異文化理解学習としての日本語教育あるいは外国語教育が、トンガ日本語教育の意義ではないか。
そこにODAで日本語教育が実施されることの正当性があるのではないか。
2年を終えてそう思います。
また、だとすると外国語だったらなんでもいいわけで、数ある外国語のうちたまたま30年前に日本語を選び、続き、教員まで自家培養してしまっているトンガ日本語教育の状況を考えると、やっぱり「日本語を勉強してくれてありがとう!」と思わずにはいられません。
日本とトンガは友好関係にあり、そろばんや日本語が義務教育で教えられていることは、やっぱり一周まわって、友好の象徴なのかも。
いずれにせよ、この日本の大事な友人が今後も日本語教育を続けてくれると嬉しいです。
そしてトンガ日本語教育は、トンガ国内の他の外国語科目が教員養成をする際のモデルケースに、またはポリネシアの島嶼国で外国語教育が始まる際のモデルケースになれると思います。
いずれにせよ、一外国語教師として貴重な2年間をトンガにもらいました。