高知県黒潮町から、ひらひらTシャツアート展(2年目)
今年も高知県黒潮町からトンガへ、ひらひらTシャツアート展がやってきました。
黒潮町すははま美術館は「建物のない美術館」というコンセプトの一風変わった団体で、毎年5月に、同町の砂浜でTシャツアート展を開催されています。
「世界でひらひら」ということで、海外でもミニTシャツアート展をされているのですが、2019年ラグビーワールドカップでトンガチームが高知県でキャンプをするほか、これまでトンガの高校生が高校生世界津波サミットで黒潮町を訪れたり、といった関係から、2連続トンガが開催地に選ばれました。
ちなみにトンガ語で「ひらひら」は「ngaungaue」だそうです。
これまでもモンゴルやガーナなどで開催されているほか、今年はさらにランドセル寄贈プロジェクトを実施されている小学校のPTAの方もいらっしゃるということで(トンガのヌクアロファ小学校に50個のランドセルが寄付されました)、なんて活発な自治体!と、素敵だな~と思います。
そしてこれは日本語の授業にかなりおいしい!ということで、トンガでの受け入れ先として私を選んでもらい、今年も私の配属先であるトンガ教員養成校の原っぱで、ひらひらさせたという経緯です。
当日は朝から良さげな木を見繕ってロープを通し、Tシャツを吊るしていきます。
これがなかなかの労働で、気まぐれに手伝ってくれた学生には、ジャパニーズ・トラディショナル・ワーキングタオルということで豆絞りをプレゼントです。私に素直にねじり鉢巻きを巻かれてそのまま手伝っている学生です。
Tシャツの展示,
だけでなく、大きな木の下で黒潮町に手紙を書くコーナーや、
まじTシャツに絵をかいてそのまま展示していいコーナー、
そしてついでにヨーヨー釣りコーナーを設置しました。
なかなか国の外にいる外国人とつながる機会が無いトンガ、学生たちがどんどんメッセージを書きに来てくれ、あれよあれよといううちに用意していたポストカードが終了しました。
日本のひらひら展でも30名ほどに紙Tシャツを書いていただきトンガでそれを展示、トンガ人の学生がその中から好きな作者にメッセージを書いてトンガから郵送、という企画でした。
最初は正直、いい年の教員訓練生たち、こういうほんわか企画のってくれるんか?と心配していたのですが、一切杞憂でした。
さてそれから、今年も日本から来るTシャツ展に便乗して、「紙Tシャツコンテスト in Tonga」も実施しました。
「砂浜が町が美術館、そこにある自然や人々がアート作品」という、すなはま美術館のコンセプトにならい、こちらも Find beautiful thing from your daily life! というキャッチフレーズをかかげ、
What you love about Tonga?
The moment when you feel your life was so cool and happy
Enjoy Art!
の3つのテーマで作品を募集しました(ちなみに愛国心を素直に表現するトンガの人達は、多くの参加者がトンガの伝統的な模様や国旗をかいていました)。
トンガでは美術などの副教科はまだまだ発展途上で、すべての学校に日本のように美術の授業があるわけではありません。
しかしやはり隠れお絵かき好きはたくさんいるようで、多くの学生が日本語の教室に訪れ、思い思いに紙Tシャツをデザインしていました。その他、離島の小学校やトンガ赤十字やJICAトンガのスタッフさんも参加してくれました。
これらの様子を見て、「トンガ人、絵かくんや」と昨年に引き続き私はびっくりです。もともと感情豊かな人達なので、概念はまだがっつり定着していなくても、「アート」というものにとても向いているのかもしれません。
黒潮町からやってきたTシャツもかわいいものばかりで、本当に着たいデザインもたくさんありました。やはり子どもが描く、ゆるくて率直な線にはかなわんなーと思います。
日本語以外の学生とも、この機会に日本やトンガについて脈絡なくおしゃべりできました。 彼らも私のような外国人教師にはなかなか気軽に話しかけられないと思うので、私も話せて嬉しかったです。
工作やお絵かきも大好きなので、教師という立場を忘れて楽しんでしまった部分も否めません。
ちなみにひらひら展の看板は、パンガイモツ島に行ったときに「なんかいい感じやなこの棒」と思って拾ってきた流木を利用しました。
ひらひら展に係る、うちの頼もしい日本語学生たちの活躍と学びはまた別稿に記録します。
天気も良く、風もほど良く、木は大きくベンチは青く、日本語の学生はよく学んだし、絵心も発揮したし、知り合いも増えたし、実り多い2日間でした。
いやーいい仕事した。