トンガの今日は

南太平洋トンガ王国 日本語教師 青年海外協力隊

クジラと泳ぐ 2年目のトンガ

f:id:nanakagawa:20190924095209j:plain

今年もクジラシーズンが到来しました。

トンガ沖には大体7月から9月にかけて(ババウ島は10月ごろまで見られるそうです)、ハンパックホエールという種類のクジラが子育てにやってきます。

このシーズンは運が良ければ海岸からもクジラが見え、「え、ディズニー?」と言ってしまいそうなトンガ王国です。

そしてトンガは世界でも唯一、(法律的に)スノーケルで近くでクジラと泳ぐことができるスポットなのです。

 

ということで、昨年に引き続き、今年もクジラスウィムツアーに行ってきました。

f:id:nanakagawa:20190910112048j:plain

このボートで、船長とインストラクター2人、そしてお客さん8人で出航します。

 

快晴の中、船長だけでなく乗客みんなでクジラを探します。そして、

f:id:nanakagawa:20190924095252j:plain

いーるー!(結果からいうとこの日めちゃめちゃクジラいました。ばっしゃんばっしゃん一生ジャンプしてるやつもいました。)

 

船長のオッケイが出たら4人ずつのグループになり、インストラクターがついて水中へ。

f:id:nanakagawa:20190924095327j:plain

私の1本目、

体を斜めに倒し、波音でクジラを警戒させないように静かに泳ぎます。

昨年は大海原でのスノーケルの使い方、ゴーグルに前髪はさんじゃだめとか、ホースの先は歯で噛まないとだめとかをわかっておらず、「めっちゃ水はいってくるやん」と思いながら必死に泳いでいましたが、1年のトンガ生活が私を鍛え、今回はスノーケルばっちり200mほど先にいるクジラを見据えながら泳げました。

結果、水面で休憩中だったのか、長い時間じっとしているお母さんクジラと赤ちゃんクジラを海の中でゆっくり眺めることができました。

でかすぎるしごつごつしてるし、潜水艦みたいでした。

赤ちゃんはこっちに興味あり気で、一瞬すいっと近づいてきたかと思うとお母さんのほうに旋回してかえっていきました。

f:id:nanakagawa:20190924095411j:plain

 

2本目、

は、残念ながらクジラを水中で見失いました。

クジラの進行方向を遮っちゃだめ、など法律がいろいろあるようで、船長の船さばきもなかなかむずかしそうです。

ちなみに今回の船長はなんかすごくプロっぽくて、がんがん運転して探して追いかける(去年)とかではなく、じっと海を見つめて、クジラを見つけたら泳ぎ続けるやつか潜るやつか見極めてGoサインを出す、といった感じでした。

そしてちゃんとルールを守りつつ、クジラにも配慮したツアー展開をされている様子で、信頼できました。

f:id:nanakagawa:20190924095549j:plain

 

3本目、

が衝撃体験、トンガ生活ハイライト、これまで見たクジラで一番の映像が網膜に残ることになりました。

3本目ですから、みんなも私もノリにのっていますし、こなれてきています。

インストラクターの「今だ!」の掛け声で、すっと海へ(波を立てずに入水することが大事、もはやだれもびびってない)。

そして「Go!」の掛け声で全力かつしずかにクジラに向かって泳ぎます。

クジラが見えた!

え、なんか近くない?

インストラクター「Back to boat! Back to boat!」

うそやん。

のんびり浮いてたと思ったクジラ親子が、我々人間を見つけて近づいてきたのです。

f:id:nanakagawa:20190924095740p:plain

ちょっと下がる我々。

いや、がんがん寄ってくるクジラ。

インストラクター「Back to boat! Back to boat!」

いや、こわいこわいこわい。

めっちゃ下がる私。

いや、まだまだ接近してくるクジラ。

f:id:nanakagawa:20190924095938p:plain

やべ、ここでクジラで怪我したらこれ以降のJICA隊員うちのせいでクジラ行けんくなる、とまで一瞬考えました。

しかし怖いけど見たい。

水中で見たクジラ(忘れられない)がこんな感じでした。

f:id:nanakagawa:20190924100025j:plain

私の記憶に焼き付いているのは、この角度で親子ともどもゆっくり(効果音は「ずお~~~ん」という感じで)拡大されていく映像です。

横からみたクジラはイメージあるのですが、

正面ちょい上から見たクジラは、なんともヘンテコで、目どこ?という感じで、でも意志は感じられて、その異質さがさらに畏怖の気持ちを倍増させてきました。

f:id:nanakagawa:20190924100157j:plain

 

私達はボートぎりぎりに追い込まれていたのですが、クジラは真横を通り過ぎ、潮を吹いて去っていきました。

f:id:nanakagawa:20190924100306p:plain

f:id:nanakagawa:20190924100355p:plain

今思えば、「お、人間やん、おもろ。」と近づいてきて、「ほなね~(プシュー)」と軽い気分で通り過ぎて行ったんだと思います。あいつらは。

クジラが去ったあとは、海に入っていたメンバーは放心からの爆笑とハイタッチ、船の上も「Fuuu~!」状態で、大変貴重な体験ができたようです。

 

いずれにせよ、水中で彼らに会うと、海は人間のものじゃないなと実感できるというか、えらそうにしたあかんな、という気持ちになれます。

高いので迷いましたが、本当に2年目も、行って良かったWhale swimmingでした。

f:id:nanakagawa:20190910112203j:plain

 私は写真を撮っていなかったので、海の上の写真はすべて日本からの友達が撮って共有してくれたものです。ありがとうともだち。ありがとうトンガに来てくれて。

 

トンガにはプロの水中カメラマンの方も来ていらっしゃるので、そちらのほうを検索するとすごい写真がいっぱい見れます。ご参考までに。

 

【Blue water explorer 1day Whale swimming tour】

時間:9:00~4:00

サービス:ウェットスーツ、フィン、スノーケル、ランチ、送迎付き

値段:610パアンガ(3万円ほど)←高いほうです。というか激高です。

保障:クジラが見られなかったら次回50%割引

観光の方へのおすすめ:酔い止め服用、泳ぎに自信無い人は覚悟必要(私は水泳教育が熱かった出身地域に感謝しています)