トンガのもずくは
こちらが大量のもずくです。
初めて見た、ビニール袋に満杯のもずく。
トンガはもずくがよく採れるそうで、ありがたいことに水産のJICA隊員さんからおすそ分けを頂きました。おすそ分けの量では無いですが。
トンガのもずくのうわさはかねがね聞いていたのですが、1年8か月にしてついに食べる日が。タッパーいっぱい持ち帰りもずく三昧のスタートです。
やはり、沖縄料理屋さんで食べられるあれ、もずく天ぷらが食べたい。
ということでYoutubeで予習し、小麦粉、水、卵、だし、切ったもずく、をいい感じに混ぜて揚げてゆきます。
気持ち小さめで平たくして油に入れたやつが、うまくあがりました。ちょっと分厚くしてしまうと、外は天ぷら中はただただもずくでした。
そしてやはり揚げたてが激うま。
顔なじみの近所の犬も見ています(ちょっとあげてみたら食べてました)。
ただちょっと作りすぎましたね。いくら美味しくてももずく何キロも食べられないです。
トンガ人的に見た目微妙かなとも思いましたが、大家さんがいつか海藻が好きと言っていたのでおすそわけしてみました。黒い怪しい見た目を緩和するために、ネギポン酢も添えてみました。
全然、トンガ人のくちに合わない可能性もあるので、ここは気を遣って向こうから何か言ってくるまで、「美味しかった?」とか聞かないことにしましょう。
夕食が豪華。昨日のマグロ、アラ汁、マグロオクラにもずく天がくわわりました。
ということで、トンガの今日はもずく天国です。
トンガのマグロは
フィッシュマーケットに行って、マグロを買ってきました。
トンガの人もマグロは大好きで、オタイカ(生魚と生野菜とココナッツミルク:見た目は魚フルーツポンチ)という料理では生マグロを使います。
そしてトンガはマグロ食べ放題の国。
こちらご覧ください。1キロで23パアンガ(1150円)です。
トロとか赤身の概念もないので、どの部位でも同じ値段です。
そして一酸化炭素だか二酸化炭素だかを注入する技術もないので、自然にこのきれいなピンクみたいですね。
お寿司屋さんの対象には怒られそうな感じでなんとか切り分け、最後はちゃんとスプーンでそぎました。
4分の1は友達におすそわけ、4分の1は、漬けマグロにして今日と明日のご飯に(スプーンでそいだ部分はごま油と塩で頂きました)。骨のとこはアラ汁に。残った半分は冷凍します。
いやーマグロで腹いっぱいです。
最近帰国した隊員は「一生分のマグロ食べた」と言っていました。
ということでトンガは今日もマグロ天国です。
【参考:フィッシュマーケット】
場所:港のとこと
開店時間:平日朝から夕方、土曜日昼過ぎぐらいまで
魚、タコ、貝、海ブドウなどなどが買えます。
日本人の客だと「Sashimi?」と聞いてくれ、切りやすいブロック状を出してくれることも。
トンガのTeachers dayは
もはや驚きませんが金曜日の授業がすべてキャンセルになりました。
World Teachers Dayとのことで、教師は全員マーチ&集会に参加せよとのお達しです。
朝、海沿いに集合。みんな一張羅です。
私も今日はキエキエではなくタオバラを巻かれています。
タオバラはトンガの最上級の公式ファッションで、忘れっぽいトンガの人達もこういう時に私にタオバラを貸すことは決してわすれずにいてくれます。
そして行進。
道路を遮断して、各学校の先生たちが街中を行進します。
ちなみにTIOEは学生も「教員訓練生」ということで全員参加していました。
各学校のブラスバンドも先生たちと一緒に歩きながら盛大に演奏しています。
カフェやオフィスからたくさんのトンガ人たちが「先生たち~!」と手を振っていて、先生たちも嬉しそう。
ところで日本でも「先生の日」やっているのでしょうか。絶対やってないですね。日本の先生方忙しすぎますもんね。
各市町村の全学校の先生たちがみんなで最寄駅の周りを練り歩く。その日は授業も仕事もなし。通行人は先生たちの激務に感謝&敬意をもって手を振る。
日本もこれぐらいやってほしいところです。
さてホールについたら、お決まりのお祈り、合唱、マーランガ(偉い人の講演)をみんなで聞きます。
偉い人が各学校をコールし、その学校の先生達が立ち上がって、会場みんなでその学校に拍手する儀式(?)もありました。
みんなでお互いを労っている感じでほっこりです。
警察のブラスバンドが演奏する場面では、いつのまにか数人の先生たちが立ち上がって自由にダンス。会場の爆笑をさらい、偉い人からおひねりももらっていました。
後で聞いたら今年定年の先生方だったそう。つくづく日本ではありえない笑
TIOEも「Teachers for Tonga」をスクールポリシーとして掲げていますが、やはり国の根幹は教育。
若い教員訓練生たち、「いい教師」になってトンガの豊かさを守っていってほしいものです。
先輩隊員の帰国 トンガ生活残り12.5%
2017年度2次隊の先輩隊員さんたちが帰国日となりました。
私は2017年度3次隊で、彼らのいっこあとです。
つまりトンガで一番長く一緒に過ごした隊次、お世話になったし思い出も色々とあるということで、朝ドミトリーまでお見送りに行きました。
うーん、このタイミングになっても彼らが帰る実感がわきません。
トンガ隊員に伝わる「トンガボランティアの歌」を歌ってお別れです。
この「トンガボランティアの歌」かつての音楽隊員さんたちが作詞作曲したそうですが、「ち~いさな島の~大きな~人が~♪」や「日曜日には~だめよ お~しごと~♪」など、なんともほんわかした歌詞が大好きです。
車に乗り込んで去っていく先輩隊員さんたちを眺めて、どっと人数が減った見送り側になんだか寂しさも感じました。
しかし皆さんを見送ったあとも、やっぱりまだその辺で活動しているような、彼らがもうトンガにいないというのはまだまだ実感できません。
そしていよいよ次の帰国は私たち。信じられません。
2年間を100%とすると残るトンガ生活はあと3か月、残り12.5%です。
スマホの電池でいうとまあまあそわそわするレベル。
残りの任期、張り切っていきたいと思います。
ばったばったの離島出張は 【1. ババウ島】
8月から9月のトンガは、クジラの季節でもありますが、高校生の「IA:Internal Assessment」の季節でもあります。
トンガではForm5、Form6、Form7(それぞれ日本で言う、高2、高3、高4)の学生は全科目、国の統一試験を課せられます。
その統一試験はIAとEA、Internal Assessment(内的評価、「主観評価」みたいなもんとどこかで読んだ来ますが記憶曖昧です)とExternal Assessment(外的評価)の2つから成ります。
EAのほうはセンター試験のようなもので、全国統一の筆記試験です。
そして今回、私が出張に駆り出されたのがIAというやつで、まーあばたつき、終わったころにはほっぺの真ん中ににきびができたほどでした。
教科によってばらばらですが、日本語の場合、このIAとは、口頭インタビュー試験を実施しています。
そして前述の通り、「全国統一試験」なわけです。
ということで、評価がぶれないようにもちろん一人の試験官が、全国の学校を回ってIAを実施することになります。
今回日本語科は私が試験官を任され、つまりトンガ内の日本語実施校すべてに出向いて、すべての5年生、6年生、7年生にインタビュー試験をして回ったというわけです。
日本語は全部で6校で、試験をうける学生も50人程度ですからなんとなかなるとしても、他の教科はどないしてんねん、という感じです。
ちなみに7時発の飛行機で、5時に家に教育省の車が来るとのこと。
日程についても直前に変わる変わる、教育省から試験実施校の校長に連絡していない、私から一応その学校の先生に連絡してみると「え、知らんかった!」となる、直前に先生も学生も「え、明日試験しに来るらしいで!」となる、私も自分の授業キャンセルしなあかんくなる、などなど、トンガすぎて腹立たしいことが怒涛のようにありました。
そんなわけで「あートンガしばきたい!」と、ずっとぷりぷりしていたのですが、ひとまず音楽と家庭科の先生とババウ島へIA出張に行ってきました(副教科グループだったみたいです)。
ババウ島で現在日本語を実施しているのは、政府系のババウハイスクールと、教会系のタイルルババウ高校です。
実際にインタビュー試験を実施していくと、それでもやっぱり貴重な経験で、ごりごり緊張している5年生から、はにかみつつ頑張る6年生、そしてやり取りに余裕がでてくる7年生と、日本語の上達を縦断的に見れてなかなか面白かったです。
何よりも、現場で日本語を教えてくれているトンガ人の先生方と一緒にその先生が教えている学生を見て、その学生のレベルについて話したり、指導方法について意見を交換できたことが良かったです。
現場の先生方と直接話したり、高校に入り込む機会はなかなか無いので、IAという大義名分を持って先生たちとちょっと近づけたのは、なかなかの成果でした。
あと初対面のトンガ人の先生たちと、一軒家でともに宿泊するという体験も貴重でした。4人の先生で2ベッドルーム、ベッドが3つ、これ夜どないすんねやろ…とおびえていたら外国人の私に一部屋くださいました。
運営のどたばた加減はともかく、このIAの評価方法を冷静に考えると、日本で言うところの、高校の英語の学習指導要領を書いている先生が、全国の高校生の英語会話力を直接評価してまわる、ということです。
学習指導要領を書いている教師が現場の学生のレベルを直接見て、現場の先生と直接会話し、それをまた教育省に持ち帰って指導要領を改善する。
小さい国だからできているのですが、システムとしてはとんでもなく理想的なことをやっていますよね。
一緒にいった家庭科と音楽のIAの様子も見せてもらったのですが、家庭科は、材料は自由で実際に学生が料理を作るそうです。
そして試験官が、健康的かどうかなどの視点で評価するとのこと。糖尿病が問題なっているからね~と試験官のおばちゃん先生がおっしゃっていて、副教科弱いと思っていたトンガのイメージが覆りました。
トンガのための生きる力を評価している…!
音楽の方もおもしろくて、学生が一人でパフォーマンスする評価と、その学校みんなで合奏する評価があるとのこと。
一人パフォーマンスの部は、男の子が舞台に上がったかと思うと、音楽が流れて歌いだしました。しかも聖歌とかでなく洋楽。いいんかいそれで。
舞台袖では彼の音楽の先生がキーボードで伴奏をひいています。
かたわらには同級生もいて、時々先生と同級生がコーラスで歌に入ってきていました。
かわいい。
終わったら教育省から来た試験官と、音楽の先生、学生たちが集まり、評価結果や改善点などについてちゃんと話していました。何話してんのかめっちゃ気になりました。
音楽の力、人前で歌えるか、上手に歌えるかがいかにトンガで大事にされているか、改めて思い知らされました。
へんてこな経験となったババウ出張でしたが、ババウ隊員とご飯も食べられたし、クジラ旅行に来ていたおしゃれな東京のお兄さんお姉さんとも偶然会えたし、おみやげTシャツ屋さんにも行けたので、まあよしとしましょう。
次はエウア島です。
電気無き一夜
帰宅すると電気が止まっていました。
大家さんに「停電ですね~」と声をかけると、「え、うちついてるけど?」と大家さんちの兄貴が。
「なんやて?!」となり、Tonga power(トンガ唯一の電力会社、一社独占が甚だしいです笑)に確認してもらったところ、電気代滞納のためわが家の電気を止めたとのことでした。
でも聞いてください。
トンガではだいたい1か月ごとか、3週間ごとか、2か月ごとか、2週間ごとに電力会社から電気代の領収書が届きます。
こんなふうに。
家のフェンスやドアに領収書がひっかけてあったら料金を確認してお金を払いに行く、というやり方で、私は暮らしています。
でもぜったい今回は領収書はまだもらっていないのです。
くやしい笑
しかし電力会社のお姉さんによると、2週間ほど料金が払われていないため止めたとのこと。
なんでこんなときだけ仕事早いねん。めちゃきっちり仕事するやん。
くやしいです笑
ひとまず明日払いに行くとして、今夜は電気なしです。
大家さんちから延長コードで電気をめぐんでもらい、充電やドライアーができる程度の電気は確保しました。
そして持ってて良かった、懐中電灯とソーラー電池のランタン。
つらいのはシャワーで、電気が停まるとお湯が出ません。
髪の毛はいけるのですが、やはりお腹や背中を水シャワーで行くのは、この時期涼しいトンガではなかなか修行でした。
ということで、トンガは今日もコントのようです。
私が線でみんなが色 OTAポストカード作戦
トンガにも赤十字があるのですが、その敷地内にOTA Centre という主に知的障害のある人達のための特別支援学校が併設され、
No one is left behind
Make the impossible, possible through God′s help
という理念のもと運営されています。
子どもから大人までの色んな人が週に何度かそこに通って1日を過ごし、またそこにはトンガ人の先生方のほかJICAボランティアも入って日々働いています。
OTAの隊員と仲がいいもので、お互いの学校を行き気したり、分野を越えて何かと一緒に活動したりするのですが、私の勤務校で開催したひらひらTシャツアート展の際も、OTAの学生&先生方が2年連続がっつり参加してくださいました。
そしてそのときから、私は彼らのアートのファンです。
彼らの作品は、突拍子ない点や線、元気で明瞭な色使いが見ていてとても楽しくなります。
アートは「問いかけ」、デザインは「こたえ」という、芸術とそれ以外のものの違いを何かで読んだか聞いたことがあるのですが、
それが合ってるならOTAのみんなの絵は完全にアートだなと思ってしまいます。
言い方の良し悪しはわかりませんが、いわゆる ”健常者” の私には作れない、予測できないアートです。
で、OTAで働く隊員がポストカードを作って売って学校の資金にしよう!という計画を立てました。
専門外で詳細はわかりませんが、おそらく色を塗ってもらうとかそういう教授活動も、OTAの学生にいい作用があるのでしょうか。
とにかくポストカードを作ろうとなり、そのもとになるデザインを私に依頼してくれました。
私がシンプルな線でトンガの色々なものを描き、OTAのみんなが好きなのを選んで好きなように塗る、という趣向です。
いろんな線を描いて渡したのが今年のはじめ、そこから日々の授業で色塗りをしてくれたのでしょう、ついに完成したポストカードをデザイナーに献上ということで頂きました。
他の隊員は買ってます笑
いやーやはり期待を裏切らない。きれいな色と予想外の配色。だいすきです。
特に波と貝殻はすごく目を引きますね。
淡白な私の線がみんなの色で、えらいおしゃれして世に出て行ったという感じです。
玄関に貼りました。運気上がりそうな色合い。
たくさん売れますように!
【参考】OTA(’Ofatui Tui ’Amanaki) Centre Tonga
https://www.facebook.com/pages/OTA-center-Tonga-/158052064345602