トンガの今日は

南太平洋トンガ王国 日本語教師 青年海外協力隊

トンガの人に癒された瞬間リスト

トンガの人に癒された瞬間を覚えておきたいです。

 

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よく見たらひとつのビーサンをシェアしてたヤンキー二人組

 

日本人さーん!と笑顔で手を振ってくるこどもたち

 

こんにーちわー!と叫んでくるそのへんのおっさん、おばさん

 

「俺が今まで会った日本人の名前」を全部教えてくれる道端であったおっさん

 

にこっと目で合図してくるトラックの荷台のこども

にこっと目で合図してくる車の運転手たち

 

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「このお花いいにおいなの」と言って、職員室でみんなのデスクにお花配ってたおばちゃん先生

 

職員室の鼻歌がもはやアカペラ、そして誰かが歌いだしたらハモりだす先生たち

 

夜遅くまで学校のかべを塗ったり、屋根の修理をしている工学科の男子学生と先生

 

学校に入ってきたブタを独特の掛け声で追い払うおっちゃん先生

 

そうじをしてたら必ず代わってくれる学生たち(先生リスペクトの心)

 

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バナナが取れたらぜったいもってきてくれる大家のおばちゃん

 

パン買いすぎておすそわけしてくれる大家の息子

 

のど乾いたと言ってココナッツに登って実をとって割って飲んでる、ほんで殻をそのへんにぶんなげてる男子学生

 

私が食べるまで「パンあるよ~!」と私を呼び続けるトンガの人達

 

私が食べ終わっても私にもっと食べてほしい人達

 

唯一覚えている日本語「たばこはからだにわるいです」を真顔で一回だけ披露したおじちゃん校長先生(喫煙者、しぶい)

 

お花を頭にのせてるおばちゃん副校長先生

 

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爆笑しながら走って教室に来る私の学生(もう20歳やけど)

 

あなたを抱きしめるたびに自分が巨人になった気分になるわ!と言いながら全力でハグしてくれるおばちゃん副校長先生

 

普段ふざけまくってるけど真剣に私の活動成果を聞き、トンガ生活最後の最後に教育について真剣な意見交換ができたおばちゃん理事長先生

 

「モリンガて知ってる?お花きれいやし実が食べられるのよ」「え~どんなん?」「探しに行こう!」と言って勤務中にモリンガの木を探しに行っちゃった同僚のおばちゃん先生たち

 

 

うちの学校の朝礼中の聖歌に、途中から参加して一緒に歌いだした近所の子どもたち

 

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ラグビーの日に町中で自主的にパレードしているトンガの人達

 

ラグビーの日に頭にトンガ国旗さしてるセキュリティのおっちゃん

 

隣の家のセキュリティとフェンスごしに世間話しているJICAのセキュリティのおっちゃん

 

JICAのセキュリティと世間話するために、フェンスのところにベンチを設置している隣の家のセキュリティのおっちゃん

 

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学校のマンゴーの木が実ったら全員で協力して採ろうとする先生と学生たち

 

食べ物に感謝を忘れないトンガの人達

 

迷惑を迷惑と思わないトンガの人達

 

知らんやつでも何かで居合わせたらぜったい話しかけたいトンガの人達

 

外国人が自分の家の中で朝ごはん食べてても、なんら不思議に思っていないトンガの人達

 

自分のものはみんなのもの、なトンガの人達

 

家族とお祈りがいちばん大事なトンガの人達

トンガの年越しは

さあ、いよいよ2020年に突入です。

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年越しも漏れなく、やはりトンガ人は教会に行くそうです。
ということで、大屋さん家族と年越しサービスに行って来ました。

22時ごろから教会に集合し、年越しまでお祈りと歌が続きます。
さすが、大晦日。聖歌と説法の数が普通の日曜日よりだいぶ多い。
何人牧師さんおるねん。なんぼほど合唱すんねん。

そしてまさかの牧師さんによるカウントダウン。

厳かに「tahanima(15)…………tahanoa(10)………」

全然だれも一緒にコールしたりしません。
ほんで、数え始めるのがちょっと遅く、残り5秒で年越えてしまい、近くの民家から花火がばんばん打ち上がってしまっていました。
やっぱり大晦日もトンガ。

年越えて教会が終わり、みんなその辺の人とハグとキスで新年を祝います。

年越しというのは本来、冬を越えて生き延びた!というお祝いと聞いたのですが、日本のお正月よりトンガのほうがその喜びっぷりが熱い感じでした。

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大屋さんと別れて1時ごろ就寝。ちなみにトンガ人たちはそのまま親戚の家に挨拶まわりに行くそうです。一回寝たらいいのに。

ばったばたの離島出張は【2.エウア島】

トンガの統一口頭試験のため、今度はエウア島に日帰り出張です。

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とにかく怒り疲れすぎたので多くは語りません。

空港行く→飛行機ない→帰る→教育省へ行って「いや飛行機変更なってましたけどどないなってます?」「そうだったのね、チケット取り直すわ★」

を3回繰り返しました。

トンガこのやろう。

教育省のドライバーさんと早朝ドライブ無駄に3回したことになります。

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空港行ったら自分が空港職員よりも早いて、どんな体験やねん。

いや空港開いてへんけどチェックイン時間やからな今!

コント「トンガ」の最たる経験がこの出張でした。

 

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やっと乗れた飛行機

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そして朝のエウア島。家から煙が。みんな早起きです。

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そして海が見えるエウア高校でした。

おわり。

 

年に一度のトンガ日本語教師会 

年度末の大山場、各島からも先生たちが大集合、日本語教師会の年次会議が実施されました。

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トンガにはJLTAT:Japanese Language Teachers Associaition of Tongaなる、日本語教師会があります。

トンガ人教師、日本人教師全体のグループ、とはいえ実働中のトンガ人の先生方10数名と日本人ボランティアなのですが、スピーチコンテストや教科書についての相談などトンガ日本語教育全体に関わる業務を担っています。

というのは建前で、本当のところはトンガ人の先生方にもトンガ日本語教育全体の業務に関わってほしくて、またはトンガ人教師全体のレベルアップをしたくて、みんなでやっている感じで日本人ボランティアが運営しています。笑

 

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さて、そのJLTATで2014年から始まったのが、Annual Meeting年次会議です。開始当初は年に2回やっていたそうですが、現在は年に1回、学年終了後の11月に実施されています。

今年も11月21日・22日の2日間に渡って開催されました。

 

このJLTAT会議、来年度のスピーチコンテストや書道コンテストの課題をみんなで決めたり、各先生が学校の状況をシェアする大変重要な機会です。昨年からは、各トンガ人の先生が自分の学生に自ら指導できるよう、みんなで書道を練習する時間を設けています。

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これを実施するようになってから、各現場の授業の漢字指導の際に先生方が「とめ~はね~はらい~」と学生に指導している様子が見られたり、なかなかいい影響があるなという印象です。

ともすれば見本の漢字を半紙の下に敷いて書いたり、二度書きがんがんやってちゃったり、とめるところで元気にはねたり、先生方も書道はまだまだ伸びしろいっぱいなので、年次会議でのみんなでの練習も来年以降も続けてほしいところです。

 

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さらに、教員養成校や教育訓練省に配属される日本語ボランティアにとっても、この会議は大義名分をもって先生方に指導法改善の提案をできる貴重な機会です。

普段は学校現場に行ったときに、それとなく「あれはなんでああいう教え方なんですかね~」とか「何か教え方で困ってますかね~?」と聞いておしゃべりするのが精いっぱいなのですが、なんせ教師の年次会議ですから、堂々と「こんな教え方どないですかー?!」とお話しできるわけです。

 

そこで今年は、この1年間各校を訪問した際に「文字指導のむずかしさ」を先生方からちらほら聞いたので、文字の教え方についてのワークショップをさせていただきました。

日本語の文字の豆知識、漢字が最初にやってきて、お坊さんたちが漢字を省略してカタカナを作って、インテリお姉さんたちが漢字を崩してひらがなを作って、昔の日本人はLazyだったね、という話。

文字を教えたり練習したりするアイディアには、空書とか、連想法とか、ビンゴとかあるよね、○○高校の先生はクロスワードゲームもひらがな練習で使ってますよね、という紹介。私がこっそり自慢に思っている、トンガ版「漢字宝島」(自主制作 笑)も先生方に共有できました。

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いろいろお話しできて、トンガ人の先生方にも楽しんでいただけた感触でしたが、しかし本当に私がやりたかったのは実は「スピーチの教え方」でした。

2年前トンガに来てすぐスピーチコンテストがあったのですが、丸暗記でロボットのような話し方をしている学生の多さを見てショックを受けました。そこには先生方が教え方がわからなかったり時間がなかったりして、学生にスピーチ制作を丸投げしている状況があり、その状況に任期中になんとか一石投じたかったわけです。

 

ということで2年目のJLTAT会議でスピーチ指導法についてワークショップを行うことを野望にしていたのですが、断念。

その理由は、2年目に離島も含め各高校現場を回っていて「あれ?インタビューテストやスピーチ練習…音声言語やけどもどの学校も文字を使った練習に頼りすぎている?」「いやそもそも4技能についてのもう一度みんなで勉強した方がよさそう?」という点に気付いたからでした。

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そこで、文字指導のワークショップといいながら、こっそり裏テーマを設け

「ところで言語能力って何ですっけ?」

「そうそう、トンガのシラバスにもありますけど4技能で分けて考えられますよね」

「文字ってどの技能?ええ、ええ、WriteとReadです。人間InputのほうがわりとOutputより簡単にできるみたいなので、文字の練習も、Input練習のReadのあとにOutput練習のWriteをする、という順番にすると学生がついてきやすいかもしれませんね」

「…ところでインタビューテストやスピーチはListenとSpeakで、文字ではなく音声の技能ですが、先生方、こちらで文字をたくさん使って練習してるなんてことは無いでしょうか?もし文字を使っていたらそれはReadとWriteの練習で、インタビューテストやスピーチの練習では無いですよ~」

と、最早ただの力業ですが、どうしてもスピーチや口頭練習への未練がたちきれず、この話も今回のワークショップにねじこんで終わりました。

トンガ人の先生方、結構うなずいてくださっていましたが、響いているといいな…

 

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なかなか来てくれない先生がいたり、出張費が欲しくて来てくださっているだけの可能性もあったり、来ていただいてもあの先生あまり楽しくなかったかな?という心配もあり、トンガ人教師による運営という大きな目標まではまだまだのJLTAT会議です。

 

ですが、積極的に手伝ってくださる先生がいたり、離島の先生たちと世間話ができたり、ボケたりボケられたり、つまんなそうにしていたかと思ったら最後は自ら会場の掃除をして帰ってくださった先生がいたり、早く帰りたいかな?と思っていたら意外と自由参加のランチと映画観賞会にも大多数の先生が残ってくださったり、やってて嬉しくなることも毎年いくつかはある会議です。

日本語ボランティアにとってはなかなかタフな行事なのですが、来年以降も続いてほしいなと、去る身ながら思います。

お疲れさまでした!自分!と運営にあたったJICAボランティアの先生たち!

 

職員室のかわいい子ども

トンガでは仕事における男女差というのはあまり見られず(あ、音楽の先生は基本男の人だそうです)、うちの職場も働くお母さんばかりです。

小学校が終わると職員の子どもたちが、うちの職員室のお母さんのところに帰ってくるので、午後からは子どもがいっぱいいます。

 

今日はひとりの職員の子(小学1年生の女の子)が、私の椅子に一緒に座ってきたので(まあまあ狭い)、お絵かきをしました。

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家の上にアイスクリームがあり、家が海の下にあります。

海面に突き出ている島のようなものは、「これ何?」と聞くと「メイクアップセットじゃ~ん」とのことです。

さすが子ども、発想が大暴れです。

 

そしてなんとも癒されたことが。

ケーキの絵を描いてくれということで、ショートケーキを描いてあげました。

それで私が右にフォークを右にフォークを1本描いたところ、「鉛筆をかして~」とのこと。

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渡すと、私が描いたフォークをまねして、右にもう1本、左にさらにもう1本、そして一言 "Cause we share it(シェアするからね~)"

かわいい、そしてやさしい。

トンガのシェア文化はこんなに小さいころから内面に育っているようです。

職員室に訪問販売が

トンガの学校関係者は勤務中にキエキエ、タオバラという腰巻を着用します。

日本でいうネクタイみたいな位置づけで、忘れたら「やば!会議あるのにキエキエ忘れた!」となります。

 

これはすべて手作りで、けっこう高いのです。

マーケットで買うと100パアンガ(5000円)超えは当たり前。

しかし時々お金を稼ぐために、おばちゃんや女の子が職員室にキエキエとタオバラの訪問販売に来ます。

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キエキエ、タオバラはトンガ人達にとっても特別なものみたいで、先生たちも訪問販売が来たらとりあえず試着したり「きれいね~」と話してみたりします。

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私のキエキエももうぼろぼろで、ほぼゴミを腰に巻いている状態なので(歩いていたら振動で外れたりします)、訪問販売で私サイズのキエキエが来ないかなと待っているこの頃です。