トンガの期末試験は
トンガ教員養成校にも学年末試験週間がやってきました。
学生も先生もびしっと早めにみんながそろって、学校全体が張り切った雰囲気です。
我々教員は試験監督として教室に立ちますが、何がつらいかと言うと、
ひとつの試験が3時間ぶっとおしというところです。
かつてドイツで教育実習をした経験があるのですが、ドイツの大学生は試験場に水やバナナやパワーストーン(笑)を持ち込んでいたことを思い出します。
ここTIOEの学生はほぼ手ぶら、ペンを頭にさして入室し、3時間水も飲まずに試験に取り組んでいます。
クーラーもない暑い部屋で制服を着こみ、3時間書き続ける学生のタフさに感心、心配しながらテスト監督をします。
こっそりプリントで学生を扇いでみたり。
そして時々学生が手をあげるので、何かと思えば
「修正液借りてもいいですか」
「電卓壊れたので借りてもいいですか」
「鉛筆削り借りてもいいですか」
え、うちが貸すん? と思いきや
「あの前から2番目の学生が持ってますから」
「あの子が持ってるのが見えます」
ペン持ってきてるのに何で修正液持ってこおへんねん
いや自分数学やったらものさし要るんわかってたやろ
自分が使ってる間あっちの子使えへんやん
などなど、日本育ちの私からしたら試験中の貸し借りとかありえないですが、トンガではこんなところにもシェア文化が垣間見えます。
今日は日本語1年生の試験でした。
複数の教科で合同で行い、それぞれの担当教員がいっしょに監督につくのですが、
トンガ人の先生が「日本語の学生はなんで鉛筆で書いてるの?」と聞いてきました。
なんでもトンガでは期末試験は青か黒のペンで書くのが常識だそうです。
(だから私は机から机に修正液を運ぶはめになったんですね。)
大学入試やTOEICでも鉛筆を使うので、私としてはテストは鉛筆で書くものなのですが、トンガでは違うようです。
トンガ人の先生は「日本語は鉛筆のほうが書きやすいから?」とちょっと興味あり気でしたが、私はそんな規定しらず何も指示していないので、今回はたまたま私の学生だけ鉛筆を使っていたみたいです。
彼女たちがなぜ鉛筆をチョイスしたかは謎です。
予想外の理由があると面白いので、また聞いてみたいと思います。